ブログ

2023.07.15

親知らずってどんな歯??

こんにちは!しげなが歯科・矯正歯科の繁永です。

さて今回は親知らずについてのお話です。
ご来院される患者さんから、
『この親知らず抜いた方がいいですか』という質問をよく受けます。

実際、定期的に親知らずが腫れてきて、その都度お薬を服用されている方も多いのではないでしょうか😅

今回は親知らずに関して、、
①親知らずってどんな歯??
②なぜ親知らずがあると、どういう悪影響があるか??
③親知らずを抜くことの問題点は??
(親知らずがあった場合の利点も含めて)
④結局親知らずは抜いた方がいい??
ということをメインにお話し出来たらと思います🦷

①親知らずってどんな歯??
そもそも親知らずとは
正式名は‘’第三大臼歯‘’と言って、口腔内で最後方に位置する歯のことです⭕️
永久歯の中で最後に発育することもあり、他の永久歯が15歳前後で生え揃うのに対し、親知らずは10代後半~20代前半くらいと遅れて生えてきます。

親の子育てが終わり、知られずに生えてくることから、この名前が付けられています👀📝

親知らずは上下顎ともに2本ずつ、合計4本あります。
(人によってはもともと親知らずがない人(先天的に欠損)している場合もあり、結構個人差があったりします🍄)

最後に生えてくるので、
出てくるスペースが不足してしまい、歯茎の中に埋もれてしてしまっている場合(埋伏歯)や、
横向きに向いてしまって、隣の歯と歯冠部が当たっている場合(水平歯)

など、色々と問題を持って生えてしまうことが多々あります💦💦

②なぜ親知らずがあると、どういう悪影響があるか??
上でもお話した通り、多くの親知らずは歯茎に埋もれていたり、横向きに生えていたりとコンディションが悪い状況にあります。
そのため、、
歯ブラシ等がうまく出来ず清掃状態が悪くなる💦

歯肉に炎症が起きてしまい、腫れてくる💦💦
(この状態を智歯周囲炎と呼びます。歯肉炎の強いバージョン)


置いておくと、、
炎症が周囲の軟組織や顎骨に広がり、顎が腫れてきたり、口が開かなくなる💦💦💦

こうなってくると、一時的に炎症を鎮めるために
親知らず周囲を洗浄して、抗菌性の軟膏を注入したり、
抗生物質や抗炎症薬💊を服用してもらったりとなります😅
最終的には抜歯が必要であることも多くあります。。。
(親知らず周りに膿の袋ができて骨を吸収していると、将来大きくなってきたりします。専門的には嚢胞と呼びます📝)

また、清掃状態が悪く、細菌が溜まりやすいため、
親知らず自体、もしくは隣の歯(第二大臼歯)が大きな虫歯になる。
炎症が強くあると第二大臼歯周りの周囲骨が溶かされ、歯周炎になる。
ということも多く見られます。。。

親知らずばがりでなく、周囲の歯も悪くなるのは大変ですね😫

③親知らずを抜くことの問題点は??
術後の腫れや痛み
親知らずを抜歯するとなると、痛みや腫れがあるんじゃないか、となかなか踏み切れない方も多いのではないでしょうか😅

確かに、
下顎の親知らずで歯肉に埋伏していて、横向きに生えているもの(専門的には下顎水平埋伏智歯と呼びます。)は、
術中こそ麻酔が効いているので大丈夫ですが、周囲骨や歯を削って抜歯する必要があったりするため、術後1週間前後は痛みや腫れを伴うことが多いと言われています💦💦

歯がまっすぐ上向きに生えているものは通常の抜歯とあまり変わらず腫れや痛みを伴うことは一般的に少ないかと思われます。
(特に上顎の親知らずは2~3分以内で抜歯でき、術後の痛みや腫れも全然なかったよーと言ってもらえることほとんどだったりします👌)

生え方が悪いパターンの抜歯でも、痛みや腫れも時間経過と共に回復し、一時的なものではありますので、やはり早い時期での対処をオススメします👀

術後の後遺症
下顎骨の中には、重要な神経や血管が詰まった“下顎管“という管があるのですが、人によってはこの下顎管がちょうど親知らずの根の先端付近に位置することがあります。

この場合は抜歯をする際に、下顎管に外力がかかり、中を走る神経を圧迫してしまい、抜いた後に口まわりにしびれが出てくることがあります。

こういう危険性が想定される場合は、術前にCT撮影を行い、3次元的に解剖学的構造を把握して臨むこともありますし、大学病院(総合病院)の口腔外科と連携してご紹介させて頂くこともあります⭕️

口まわりのしびれ(下唇の知覚麻痺)のデータ上での発現率は0.4~5.5%、6ヶ月後にも認められていたのは全体の0.05%と報告されています📝

④結局親知らずは抜いた方がいい??

結論から言うと“ケースバイケース“です💡

親知らずだから、全部抜いてしまうというのは間違いです

上下顎ともにそれなりにきちんと生え、噛み合っている場合は機能していますし、もちろん抜歯の必要はありません(顎の骨の中に完全に埋まっている場合も放置で大丈夫です👌

また結構親知らずは使い道があって、
手前の歯がなくなっていたら、被せ物(ブリッジ)や義歯の支台に使えますし、部分矯正で親知らずを持ってくることも可能です😊

それにどこかの大臼歯を運悪く抜歯しないといけなくなった際に、移植することが出来る場合もあります⭕️

重要なのは、その親知らずが今現在周囲の歯周組織にどれだけ悪影響を及ぼしているか、そして今後及ぼしていくかです❗️

例えば、、
ちょっとした影響を出すかもしれないけど、
顎の中の神経(下顎管)との距離が近くて少しリスクがあるなぁとか、
手前の歯が状況が悪いので近い将来、この親知らずを治療に使えるなとか、
いう場合には抜かずに温存したりします👍

このように親知らずを抜歯するかどうかでも、個人個人の口腔内の状況によって変わってきます。

親知らず1本でも上のようにすごく奥が深いですね。。

1本の歯だけ治すのではなく、全額的な歯周状態、虫歯の有無、かみ合わせ等のトータルバランスでの治療を提案し、一緒に治療していくのが、歯科医師の責務だと、僕自身日々感じています🦷

何でもご相談にいらしてくださいね🎵

TOPへ
TEL: TEL: